カスパー・ダーヴィド・フリードリヒ

2020-07-22

宗教的崇高さと静寂感を操り、自然の冷酷さや死のイメージを持たせることに長けている画家。

Gerhard von Kügelgen portrait of Friedrich.jpg

カスパー・ダーヴィド・フリードリヒはドイツのロマン主義絵画を代表する画家である。フィリップ・オットー・ルンゲと並び宗教的意味を含んだ風景画を多く残している。

代表作には氷の海・月を眺める男女・窓辺の婦人・エルベ峡谷の眺めなどがある。

代表的な作品

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カスパー・ダーヴィド・フリードリヒは1774年にスウェーデン領のドイツ最北端のあるグライフスヴァルトで生まれる。
成長したカスパーは1794年にコペンハーゲンの美術アカデミーに入校後、ドレスデン美術アカデミーに転校し美術を学ぶ。
1805年にはゲーテ主催の美術展に作品を出品し、見事受賞することとなる。1807年ごろから本格的に油彩を始め、海辺の修道士・樫の森の中の修道院がプロイセン王室に買い上げられる。
1818年にはカロリーネと結婚。順風満帆かに見えたが政治情勢に影響され、作品が批判的な評価を浴びることとなる。その影響からか脳卒中に。一命は取り留めるも麻痺が残ってしまうことに。晩年にはセピアインクを使って線画を描いていたようだ。
1840年に亡くなる。

これがフリードリヒの人生を時系列でまとめたものである。フリードリヒの作品の特徴は自然の冷酷さや死をイメージさせるものが多いと述べたが、それは幼少期のある出来事が影響していると考えられている。
まず、幼少期に妹を亡くしている。また、13歳の時に川でスケートをしている際に氷が割れるという事故がありフリードリヒを助けようとした1歳年下の弟が溺死してしまうという悲劇が起こっているのでした。
この事故があってからフリードリヒは自分を責め、長きにわたりうつ病に悩まされ自殺未遂も数え切れないほどあったようだ。
その後にも母や姉を亡くしており、不遇の人生を送ったと言える。死を身近に感じてきたフリードリヒにしか出すことができない画風は作品に顕著に現れており、壮絶な人生経験をしてきたからこそ彼の作品からは感じるものが多くある。
作品の多くは墓地・廃墟・自然の風景などをモチーフにしているものが多く、無人の荒涼としたイメージだ。
見ているものを独特の世界観に引き込み、緊張感を出すような作品が多いのが特徴的である。
氷の海は人物がこちら側を見ている作品である。フリードリヒの作品で人物が描かれているもののほとんどが背中側を描いているので非常に珍しい作品といえるだろう。